【総合内科専門医が警告】動脈硬化予防の新常識

突然ですが、「毎日しっかり歯磨きをする」ことが、心筋梗塞や脳梗塞の予防につながることをご存知でしょうか?

こんにちは、中原小杉元住吉ほしおか内科消化器内視鏡クリニックの院長 星岡です。

私は消化器内科を専門としていますが、近年、胃腸の健康に深く関わる「細菌叢(さいきんそう)」の研究が急速に進んでいます。

口腔内の健康と全身の病気も密接に関連していることが、最新の医学で明らかになってきました。

特に、お口の機能低下である「オーラルフレイル」と動脈硬化の関係が注目されています。

東京都健康長寿医療センターと大阪大学などによる学際的な共同研究でも、噛み合わせの悪化が動脈硬化の進行要因になる可能性が示唆されています。

お口の問題が血管に影響
オーラルフレイルチェック

東京都健康長寿医療センターと大阪大学などの共同研究によると、噛み合わせが悪い人は動脈硬化が進行しやすいという関連性が示されています。

口の機能が低下すると、無意識のうちに柔らかいものばかりを選びがちになります。

  • 野菜や魚が食べにくくなる
  • ビタミンや食物繊維が不足
  • DHA(オメガ3系脂肪酸)の摂取が減る
  • 結果として血管の健康を保つ栄養素が不足する

歯周病は単なる「歯ぐきの病気」ではありません。口腔内の歯周病菌とその毒素が、飲み込まれたり血管に入り込んだりすることで、全身の血管内皮に持続的な炎症を引き起こすことがわかっています。
※歯周病による全身リスク(ある疫学調査より)

  • 心筋梗塞発症リスク:約1.6倍に上昇する
  • 血中CRP値(炎症マーカー)の上昇
  • 血管内での動脈硬化プラークの蓄積促進

当院では、開院5周年を機に、「消化器・肝臓から全身を診る」という臓器横断的な視点を重視した診療を行っています。

これまで内科では、脂肪肝、高尿酸血症、脂質異常症などを個別の疾患として診てきました。しかし最新の医学的知見から、これらの疾患は口腔内の健康を含め、臓器を超えて全身の「炎症」や「代謝」に影響を及ぼすことが明らかになっています。口腔の健康も同様です。

  • 歯周病 → 慢性炎症 → 心血管疾患
  • オーラルフレイル → 栄養不足 → 動脈硬化
  • 睡眠時無呼吸症候群 → 歯ぎしり → 咬合力低下

当院では、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療も行っており、これらの相互関係を包括的に診察しています。


日本老年医学会など三学会が作成し「OF-5チェックリスト」をご紹介します。

以下の5項目のうち、2つ以上当てはまると「オーラルフレイル」の危険性があります。是非、ご自身の口腔機能をチェックなさってください。

  1. 自分の歯が20本未満である
  2. お茶や汁物でむせることがある
  3. 半年前と比べて硬いものが食べにくくなった
  4. 口の渇きが気になる
  5. 「パ・タ・カ・ラ」が言いにくくなった

実は、40代でも33%の方に該当項目があるという調査結果が出ています。

これは決して「高齢者だけの問題」ではない、ということをご認識ください。


  • 1日2回以上の歯磨き(最新研究で効果確認)
  • 週1回以上の歯間ブラシ使用
  • 年1回以上の歯科受診(特に歯周病は初期には自覚症状がないため、定期的なチェックが重要です)
  • 口を大きく開いて「パ・タ・カ・ラ」を繰り返す
  • 1日3回、各10回ずつ
  • 「あ・い・う・べー」の口の形を大きく作る
  • 「べー」の時は舌を思い切り出す
  • 1食に1つ以上、歯ごたえのある食材を選ぶ
  • よく噛んで食べる(一口30回が目安)

当院では、生活習慣病の診療において血管年齢測定も行っています。また、頸動脈エコー検査により動脈硬化の進行度を評価することも可能です。

以下の様なサインはありませんか?

  • 食べこぼしが増えた
  • 硬いものが噛みにくくなった
  • 滑舌が悪くなった
  • 口が渇きやすい など

これらは単なる「老化現象」ではなく、動脈硬化につながるSOSサインかもしれません。

「消化器肝臓から全身を診る」クリニックとして、お口の健康も含めた包括的なケアが重要と考えています。

健診で生活習慣病を指摘された方、最近食事がしにくくなった方は、ぜひ一度ご相談ください。
内科的な治療と並行して、適切な口腔ケアの視点も含めた総合的なアプローチをご提案いたします。

些細なことでも構いません。お体のことで気になることがございましたら、武蔵中原、武蔵小杉、元住吉のほしおか内科消化器内視鏡クリニックへ、お気軽にお声かけください。

【参考文献】
東京都健康長寿医療センター:ご存知ですか?オーラルフレイル!
東京都健康長寿医療センター:高齢期における口腔機能の重要性 ~オーラルフレイルの観点から~