胃が痛い・みぞおちが痛いとき、胃カメラは必要?
「最近、みぞおちが痛い」
「食後に胃が重い、もたれる」
「空腹になると胃が痛む」
「胃薬を飲めば良くなるけれど、何度も繰り返している」
このような症状があると、「胃カメラを受けた方がいいのかな?」と迷う方も多いと思います。
胃痛やみぞおちの痛み(心窩部痛)の原因はさまざまです。
胃炎や胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など比較的よくみられる病気から、頻度は高くありませんが胃がんなどの病気が隠れていることもあります。
一方、胃カメラをしても明らかな異常が見つからない「機能性ディスペプシア」という病気もあります。
今回は、胃が痛い・みぞおちが痛いとき、どのような場合に胃カメラを考えた方がよいのか、消化器病専門医・消化器内視鏡専門医がわかりやすく解説します。
胃痛・みぞおちの痛みの原因は?
「胃が痛い」と感じても、必ずしも原因が胃だけにあるとは限りません。
みぞおち周辺には胃・十二指腸だけでなく、食道、胆のう、膵臓などもあります。
胃痛・みぞおちの痛みの原因としては、例えば次のような病気があります。
- 急性胃炎・慢性胃炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- ピロリ菌感染
- 機能性ディスペプシア
- 胃がん
- 胆石・胆のう炎など胆のうの病気
- 膵炎など膵臓の病気
症状だけですべてを区別することは困難です。
そのため、症状の経過や年齢、既往歴、内服薬などを確認したうえで、必要に応じて胃カメラや腹部超音波検査、血液検査などを組み合わせて原因を調べます。
こんな胃痛・みぞおち痛は胃カメラを検討します
胃痛がある方全員に、すぐ胃カメラが必要というわけではありません。
しかし、次のような場合には胃カメラを検討します。
1.胃痛を繰り返している
胃薬を飲むと一時的に良くなるものの、薬をやめると再び痛くなる。
このような場合は、症状を抑えるだけではなく、原因を一度確認することが大切です。
2.胃薬を飲んでも改善しない
胃酸を抑える薬などで改善しない場合には、胃炎以外の病気を含めて原因を調べる必要があります。
3.黒い便が出た
胃や十二指腸などから出血すると、便が黒くなることがあります。
特にタールのように真っ黒な便が出た場合には、消化管出血の可能性があります。
早めに医療機関を受診してください。
4.貧血を指摘された
鉄欠乏性貧血などの背景に、胃や十二指腸からの慢性的な出血が隠れていることがあります。
原因不明の貧血では、胃カメラなどによる消化管の評価が必要になる場合があります。
5.食欲が落ちた・体重が減ってきた
食事や運動を変えていないのに体重が減少する、食欲が落ちているといった場合には、原因を確認することが重要です。
6.食べ物がつかえる・飲み込みにくい
食道の病気が原因となっている可能性があります。
特に症状が続く場合や悪化している場合には、胃カメラで食道を確認します。
7.以前にピロリ菌を指摘されたことがある
ピロリ菌感染は、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍や胃がんなどと関係します。
除菌治療を受けた後も胃がんのリスクが完全になくなるわけではないため、定期的な胃カメラが勧められる場合があります。
胃カメラでは何がわかる?
胃カメラという名前ですが、胃だけを見る検査ではありません。
口または鼻から細い内視鏡を挿入し、
食道 → 胃 → 十二指腸
を直接観察します。
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、ポリープ、腫瘍などを確認できます。
必要があれば、病変の一部を採取する**生検(組織検査)**を行うこともできます。
つまり胃カメラの大きなメリットは、単に「胃が荒れているか」を見るだけでなく、症状の原因となる病変がないかを直接確認できることです。
胃カメラで異常がなければ「何もない」?
ここは患者さんからよく聞かれるところです。
胃痛や胃もたれがあるにもかかわらず、胃カメラでは潰瘍やがんなどの明らかな異常が見つからないことがあります。
その代表的な病気が**機能性ディスペプシア(FD)**です。
機能性ディスペプシアでは、
- みぞおちの痛み
- みぞおちの焼ける感じ
- 食後の胃もたれ
- 少し食べただけですぐ満腹になる
などの症状が続きます。
胃カメラで重大な病気がないことを確認すること自体が、機能性ディスペプシアなどを考えるうえでも重要になります。
胃が痛くても胃以外が原因のことがあります
みぞおちの痛み=胃の病気、とは限りません。
例えば胆石症や膵炎などでも、みぞおち周辺が痛くなることがあります。
そのため、症状や診察所見によっては胃カメラだけではなく、
- 血液検査
- 腹部超音波検査(腹部エコー)
- CT検査
などを組み合わせて原因を調べます。
特に強い腹痛、発熱、繰り返す嘔吐などを伴う場合には、胃カメラだけにこだわらず、病状に応じた検査を選択することが重要です。
胃カメラが怖くて受診をためらっている方へ
「胃が痛いけれど、胃カメラが怖いから病院に行きたくない」
という方もいらっしゃいます。
当院では患者さんの状態やご希望に応じて、鎮静剤(ミダゾラム)と鎮痛薬(ペチジン)を使用した胃カメラにも対応しています。
鎮静剤によって不安や緊張をやわらげ、鎮痛薬を組み合わせることで、できるだけ検査の負担を軽減することを目指します。
ただし、薬剤の効果には個人差があり、「必ず眠ったまま終わる」「完全に無痛」というものではありません。
詳しくは
「鎮静剤を使った胃カメラは本当に楽?ミダゾラム+ペチジンについて」
もご覧ください。
よくある質問
Q. 胃が痛ければ必ず胃カメラを受けるべきですか?
必ずしも全員に必要というわけではありません。症状の程度や期間、年齢、既往歴などを確認して判断します。症状を繰り返す場合や、貧血・黒い便・体重減少などを伴う場合には胃カメラを検討します。
Q. 胃薬で治れば胃カメラは必要ありませんか?
一時的に症状が改善しても、症状を繰り返す場合には原因を確認した方がよいことがあります。胃薬で症状が改善したことだけで、胃潰瘍などの病気を完全に否定することはできません。
Q. 胃カメラで異常がなければ胃痛の原因はわからないのですか?
胃カメラで明らかな異常がなくても、機能性ディスペプシアなどが原因となっていることがあります。また、胆のうや膵臓など胃以外の病気を考えて、腹部エコーや血液検査などを行う場合もあります。
Q. ピロリ菌がいると胃が痛くなりますか?
ピロリ菌に感染していても症状がない方は多く、胃痛だけで感染の有無を判断することはできません。必要に応じてピロリ菌検査を行います。
Q. 胃痛がある場合、すぐ受診した方がよい症状はありますか?
強い腹痛、吐血、黒い便、繰り返す嘔吐、冷汗を伴う痛みなどがある場合は、早めの受診が必要です。症状が強い場合には救急医療機関への受診が必要になることもあります。
中原区・武蔵小杉・元住吉周辺で胃痛・みぞおちの痛みにお悩みの方へ
胃痛やみぞおちの痛みは、胃炎など比較的よくみられる病気だけでなく、胃・十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア、胆のう・膵臓の病気など、さまざまな原因で起こります。
中原小杉元住吉 ほしおか内科・消化器・内視鏡クリニックでは、その名の通り、総合内科専門医、消化器病(消化器内科)内科専門医、内視鏡専門医の資格を合わせもつ院長が、症状や経過を確認したうえで、必要に応じて胃カメラ、腹部超音波検査、血液検査などを組み合わせて診療します。
胃カメラについても、消化器内視鏡専門医が検査を行っています。
「胃が痛いけれど胃カメラが必要かわからない」
「症状を繰り返している」
「胃カメラが怖くて検査をためらっている」
という方も、まずはご相談ください。
