胃カメラは鼻から・口からどちらがよい?

当院はどちらも細い内視鏡で検査します

「鼻からなら楽と聞いたけれど、本当?」
「口からだと太いカメラになるの?」
「鎮静剤を使う検査と、鼻からの検査はどう選べばよい?」

胃カメラを受ける際に、こうした疑問を持つ方は少なくありません。

鼻から・口からのどちらが合うかは、鼻の通りやすさ、のどの反射、過去の検査経験、鎮静剤の希望などで変わります。「全員にとってこちらが楽」という方法はありません。

当院では、鼻からも口からも、高画質画像とNBIに対応した細い内視鏡を使用します。 挿入する経路と、鎮静剤を使うかどうかを分けて考えることが、検査方法を選ぶポイントです。

1.鼻からと口からでは、何が違うのでしょうか

鼻から入れる方法を「経鼻内視鏡」、口から入れる方法を「経口内視鏡」と呼びます。いずれも食道・胃・十二指腸を観察します。[1・4]

鼻からの検査

舌の付け根への刺激を避けやすく、「オエッ」となる反射を抑えやすい方法です。鎮静剤を使わずに受ける場合、検査中に会話できることも特徴です。

一方、鼻の痛みや鼻出血が起こることがあります。鼻の中が狭い方などでは挿入が難しく、口からの検査に変更する場合もあります。「鼻からなら必ず苦痛がない」というわけではありません。

口からの検査

鼻の中を通らないため、鼻が狭い方や、以前の経鼻検査で鼻の痛みがつらかった方にも選択肢となります。

ただし、舌の付け根やのどへの刺激で、吐き気や反射が起こることがあります。当院では細い内視鏡を使用し、鎮静剤の使用についても相談しながら、苦痛の軽減を図ります。[1・5]

2.当院では「口から=太い内視鏡」ではありません

一般的な比較では、「鼻からは細い内視鏡、口からは通常径の内視鏡」と説明されることがあります。しかし、細い内視鏡を口から挿入することもできます。

当院では、経鼻・経口のどちらにもオリンパス製の細径内視鏡「GIF-1200N」を使用しています。 先端部の外径は5.4mm、軟性部の外径は5.8mmです。[3]

「鼻から入らなければ、必ず太いカメラになる」ということではありません。鼻の状態に合わせて、細い内視鏡を口から入れる方法を検討できます。

3.「鼻か口か」と「鎮静剤を使うか」は別の選択です

鼻からの検査でも鎮静剤を使う場合があり、口からの検査だから必ず鎮静剤が必要というわけでもありません。実際の方法は、施設の対応と患者さんの状態を踏まえて決めます。

鎮静剤は、不安や緊張、検査のつらさを軽減するために使います。全身麻酔とは異なり、必ず完全に眠ることや、苦痛・記憶がまったくなくなることを保証するものではありません。

また、呼吸が弱くなったり、血圧が下がったりすることがあるため、年齢や持病などを確認し、検査中・検査後の状態を観察する必要があります。[2]

鎮静剤を使った日は、車・バイク・自転車を運転できません。 検査後に休む時間も必要です。帰宅手段や当日の予定も含めて、検査前にご相談ください。[2]

4.細い内視鏡でも、細かな病変を観察できますか

「鼻からの胃カメラは画像が鮮明でないので、口からのほうがよい」と聞いたことはありませんか?

確かに、以前の経鼻内視鏡は、通常の太さの内視鏡と比べて画質や明るさに制約がありました。しかし、撮像センサーや光学技術は進歩しており、特に2020年以降に登場した経鼻内視鏡では、解像度が大きく向上しています。[1]

当院で使用しているGIF-1200Nも、こうした高画質化が進んだ細径内視鏡です。ノイズの少ないハイビジョン画像で、細かな血管や粘膜表面の様子まで観察できます。[3]

NBIで、食道のわずかな変化にも目を向けます

当院では、**NBI(狭帯域光観察)**を用いた観察も行っています。

NBIは、特殊な光で粘膜表面の細い血管などを見やすくする技術です。通常の光だけでは気づきにくい食道のわずかな変化を捉え、早期の食道がんなどの病変の発見を助けます。[3・6]

当院では、鼻から・口からのどちらの場合も同じ細径内視鏡を使用するため、いずれの方法でも高画質画像とNBIを用いた観察が可能です。

生検や、さらに詳しい検査について

必要に応じて、組織を採取する「生検」も行えます。

病変の性質や広がりをさらに詳しく調べるための光学拡大観察や、内視鏡治療が必要な場合には、その目的に適した機器での追加検査や専門医療機関への紹介を検討します。[1]

5.検査方法を選ぶときに伝えていただきたいこと

過去の検査がつらかった方は、「つらかった」ということに加えて、どこがつらかったかを教えてください。

  • のどの反射や吐き気が強かった
  • 鼻に強い痛みがあった、鼻血が出た
  • 検査への不安が強い
  • 鎮静剤が効きすぎた、あるいは効きにくかった

また、鼻の手術歴、持病、服用中の薬、薬剤アレルギーについてもお知らせください。血液を固まりにくくする薬などは、自己判断で中止せず、事前に確認してください。

検査前の食事・水分・薬の扱い、検査後の飲食再開は、当院からお渡しする案内に従ってください。鎮静剤を使わなくても、鼻やのどの麻酔などに応じた注意が必要です。[4]

6.「自分に合う方法」を一緒に考えましょう

鼻からの検査が合う方も、細い内視鏡を口から入れる方法が合う方もいます。検査への不安が強い場合には、鎮静剤も選択肢になります。

当院では、検査が必要かどうかを確認したうえで、これまでの経験や体調、ご希望を伺いながら方法をご相談します。

「以前つらかったので、次を受けるのが怖い」という方も、予約時や診察時にお伝えください。

当院の胃カメラ検査のご案内
https://hoshioka.clinic/gastroscope.html

ほしおか内科・消化器・内視鏡クリニック
院長 星岡 賢英

参考資料

[1]日本消化器内視鏡学会「経口内視鏡と経鼻内視鏡の違いは何ですか?」
https://www.jges.net/citizen/faq/general_03

[2]日本消化器内視鏡学会「内視鏡検査で鎮静薬を使用することのよい点と悪い点は何ですか?」
https://www.jges.net/citizen/faq/general_06

[3]オリンパス「上部消化管汎用ビデオスコープ GIF-1200N」
https://www.olympus-medical.jp/product/gif/gif_1200n

[4]日本人間ドック・予防医療学会「上部消化管内視鏡」
https://www.ningen-dock.jp/inspection_endoscopy/

[5]当院「胃カメラ検査」
https://hoshioka.clinic/gastroscope.html

[6]Dobashi A, et al. 高画質細径内視鏡とNBIによる表在性咽頭・食道扁平上皮がんの診断性能を検討した研究
Diagnostic Performance of a Novel Ultra-Thin Endoscopy under Narrow-Band Imaging for Superficial Squamous Cell Carcinoma of the Pharynx and Esophagus. Cancers. 2024;16(3):529.
https://doi.org/10.3390/cancers16030529