精度の高いピロリ菌検査を導入!

中原小杉元住吉ほしおか内科・消化器・内視鏡クリニックでは、より精度の高いピロリ菌検査を導入いたしました。


全自動遺伝子解析装置 Smart Gene®は、令和4年(2022年)11月1日から保険適用となった最新の検査方法です。

1. 胃カメラの廃液を利用した安全性の高い検査

  • 胃カメラ検査の際に通常は廃棄される胃液(胃内視鏡廃液)を検体として使用します。すなわち、通常の胃カメラ(胃内視鏡)検査時に同時に行える検査です。特別な負担を加えることなく実施できます。
  • 追加の胃粘膜採取(生検)が不要で、出血などのリスクがありません。

2. 高精度な遺伝子検査(PCR法)

従来の検査法と比較して高い精度を誇ります。

  • 尿素呼気試験との一致率:93.6%
  • 便中抗原検査との一致率:93.2%

わずか10個のピロリ菌がいれば検出可能な高感度検査です。
いわゆる面の検査(詳細は当院ピロリ菌コラムご参照ください。)であり、点の検査(迅速ウレアーゼ検査、生検による顕微鏡検査や培養検査)よりサンプリングエラーの少ないより精度の高い検査です。

3. 当日結果がわかる迅速検査

  • 検査時間は約50分で結果が判明します。
  • 胃カメラ検査当日に結果をお伝えすることが可能です。
  • 必要に応じて、その日のうちに除菌治療を開始することもできます。

4. 薬剤耐性の同時判定

ピロリ菌の除菌を保険適応で行う際に使用する抗生剤は限られています。その際に重要なkey drugの一つがクラリスロマイシンです。この検査では、ピロリ菌の有無だけでなく、クラリスロマイシンという抗生物質への耐性も同時に調べることができます。
より効果的な除菌治療法の選択が可能になります。

  • 薬剤感受性試験との一致率:97.0%

5.保険適用について

保険点数:360点

患者さんの自己負担額(目安)

1割負担約610円
2割負担約1,220円
3割負担約1,830円

6.検査の流れ

  1. 通常通り胃カメラ検査を実施
  2. 検査中に得られた胃液を採取(追加の処置は不要)
  3. 約50分後に結果をお伝え
  4. 必要に応じて除菌治療のご相談

7.従来の検査との違い

これまでのピロリ菌検査(尿素呼気試験、便中抗原検査、血液検査など)に加えて、新たに核酸増幅法という遺伝子検査が選択肢に追加されました。特に他の検査で陰性だった場合でも、胃カメラでピロリ菌感染が疑われる所見がある際には、この検査を実施することができます。

先日、参加した第31回ヘリコバクター学会学術集会でも、高い有効性が示されている報告が目立ち、慶應義塾大学消化器内科森先生の発表では、除菌成功率ほぼ100%となっており、より精度の高い除菌治療の力強い助っ人となると考えられます。
この新しい検査により、より正確で迅速なピロリ菌診断が可能となり、患者さんにとってより良い医療を提供できるようになりました。

ご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフまでお声かけください。


*参考文献:日本ヘリコバクター学会「胃内視鏡廃液を用いるヘリコバクター・ピロリ核酸増幅キットの臨床活用に関して」(2022年12月)